• 炉体移動式高性能熱処理炉
    (2000年導入)

    新エネルギー・産業技術総合機構(NEDO)の選考により国の補助を受け、我が国初の導入に至ったこの炉の最大の特徴は、既設ポット式熱処理炉3基分の働きを1基で行うことで、大幅な「省エネ」が実現でき、年間省エネ量は実に約7,859GJに達します。さらに重要なことは、高温空気燃焼技術の採用と熱風循環ファンの効果で炉内温度の均一化が図れるため、製品品質の「均一化」を大いに促進する点。またインナーケースの廃止で、炉内温度の適正化や熱処理時間の短縮化を図れることもコストに反映するおおきな魅力となっています。加えてこの炉は環境問題にも対応します。すなわち燃料がLNG(液化天然ガス)であることと相まって、CO2は年間約659tonの削減、NOx値は環境基準値の約60%まで低減しました。

  • 高効率焼鈍炉
    (2016年導入)

    「高効率焼鈍炉」は、「窒素ガス+α」で雰囲気ガスを生成する独自の方法により、DXガスのように燃料ガスを不完全燃焼させて発生させる方法に比べ、安価で安全。加えて美しい酸化皮膜を形成でき、黒く仕上がった製品は表面の品質保持期間が長い。炉の気密性が高いため品質も安定化する。大型バッチ炉で大量処理することが可能な上、燃料装置に排熱回収機構、排熱蓄熱材を用いることで、省エネルギー性能が従来形の燃焼装置に比べ約30%向上する。制御装置は全自動を実現、炉前テーブルに処理材を搭載した後は、スイッチ一つで炉内へのワーク挿入・加熱・冷却・炉外への搬出までの一連の熱処理作業を完遂するため、省人化、省力化が図れる。(日刊産業新聞より引用)

炉体移動式高性能熱処理炉導入のポイント

既設ピット式熱処理炉3基を、RT式リジェネガスバーナーおよびインナーファンを装備した炉体移動式高性能工業炉1基に集約リプレースし、省エネルギーと炉内温度の適正化、NOx・CO2の削減を目的にし導入しました。

熱処理炉全体熱処理炉全体熱処理炉全体

蓄熱式バーナー(RT)上部蓄熱式バーナー(RT)上部蓄熱式バーナー(RT)上部

  • 蓄熱式バーナー(RT)部蓄熱式バーナー(RT)部蓄熱式バーナー(RT)部
  • 炉側面炉側面炉側面

既設炉(旧ピット式)

既設炉(旧ピット式)既設炉(旧ピット式)

出典:NEDO

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炉体移動式高性能熱処理炉

炉体移動式高性能熱処理炉炉体移動式高性能熱処理炉

出典:NEDO

天井両側にラジアントチューブ式リジェネガスバーナー8基を設置し、既設炉のインナーケースを廃止し、直接被加熱材に伝熱させること、および1基で3基分の処理を一度に行うことで、大幅な省エネルギーを図るとともに、製品に対するより適正な炉内温度をコントロール。

導入の効果

■省エネルギー効果

既設炉(ポット式)は排熱回収がなく、インナーケースの外側を加熱しているため熱効率は約18.8%でした。導入した炉は高温空気燃焼技術の採用でインナーケース不要となり、かつ、3基を1基に集約することから、熱効率は約37.2%となり、既設炉(ポット式)に比べ56.2%の燃料原単位が可能となり、年間省エネルギー量は約7,859GJに達することができました。

■環境に対する効果

  • 1:CO2の削減効果は、年間で約659tonの削減量となった。
  • 2:NOx値は、環境基準値180ppmに対して100ppmまでの低減が可能となった。

■その他の効果

高温空気燃焼技術の採用と新たに設ける熱風循環ファンとの相乗効果により、既設炉(ポット式)に比べ
炉内温度の均一化が図られ、かつ、インナーケースの廃止により適正な炉内温度(旧システムより低い)の設定と熱処理時間の短縮が図れました。

改 修 前

省エネ率(%)

—

熱効率(%) 18.8
廃熱回収率(%)

—

NOx値(ppm)

—

省エネ量(GJ/年)

—

→

改 修 後

省エネ率(%) 56.2
熱効率(%) 37.2
廃熱回収率(%) 59.6
NOx値(ppm) 100.0
省エネ量(GJ/年) 7,859

(計画値)

設備仕様

事業所名: 株式会社ハンナン(本社)
炉 種: 綿材、コイル用炉体移動式熱処理炉
炉形式: ポット型
バーナー仕様: ハニカム(RT)
処理温度(℃): 780
処理材: SWRM-6、コイル
処理能力(t/h): 18.75(t/ch)
燃 料: LNG

出典:NEDO

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